目指せ!ST!

言語聴覚士過去問題の解説など

第19回午前 問題2 問題3 言語聴覚士国家試験過去問題

言語聴覚士過去問題第19回午前

 

問題2 誤っている組み合わせはどれか。

1. 神経細胞体 ——————— 細胞核

2. 無髄神経 ———————跳躍伝導

3. 樹状突起 ———————神経細胞体への信号入力

4. シナプス ———————— 神経伝達物質

5. 骨格筋 ————————— アクチン

 

1:正しい。神経細胞体は神経細胞の中で細胞核などの細胞小器官が集中し、樹状突起と軸索が会合する部位であす。

2:誤り。跳躍伝導は有髄神経の特徴です。

3:正しい。神経細胞の多くは樹状突起をもっており、これが他のニューロンと接合して神経回路としてのネットワークを形成していきます。このネットワークこそが脳の神経活動を営む基本的な構造なのです。樹状突起は他のニューロンと無数のシナプスを形成し、いろいろな情報をやりとりして神経機能の調整を行っています。

4:正しい。神経伝達物質神経細胞で作られ、神経軸索内を輸送されて、神経終末部にあるシナプス小胞の中に蓄えられます。ここに神経細胞から何か電気的刺激が伝えられると、神経伝達物質シナプス間隙に放出されます。

5:正しい。骨格筋とは骨格筋繊維が束になったものを言います。骨格筋繊維の内部には筋原線維が集まっています。筋原線維の中には、ミオシンという蛋白質からなる太いミオシンフィラメントとアクチンという蛋白質からなる細いアクチンフィラメントが交互に配列しています。

誤っている組み合わせは2なので、答えは2。

 

 

問題3 膝蓋腱反射で誤っているのはどれか。

1. 脊髄性単シナプス反射である。

2. γ(ガンマ)繊維が筋伸張を伝える。

3. α(アルファ)運動神経が筋繊維を収縮をさせる。

4. 筋紡錘が関与する。

5. 反射亢進は錐体路症状である。

 

 

1:正しい。膝蓋腱反射は脊髄の反射の一種で、ただ1個のシナプスだけが関与する単シナプス性の伸張反射です。

2:誤り。γ繊維は筋紡錘からの刺激を受けて筋収縮を助けます。

3:正しい。α運動ニューロンが興奮することにより筋肉の収縮が生じます。

4:正しい。感覚器に相当するのは骨格筋に含まれている筋紡錘です。

5:正しい。反射亢進の場合は反射中枢より上の錐体路障害(脳梗塞などの脳血管疾患)を示します。

誤っているのは2なので、答えは2。

 

 

第19回午前 問題1 言語聴覚士国家試験過去問題

言語聴覚士国家試験過去問題第19回午前
 
問題1 誤っている組み合わせはどれか。
a.緩和ケア ——————————患者の尊厳重視
b.ノーマライゼーション————コロニーでの生活
c.ユニバーサルデザイン————障害者用に限定
d.インフォームドコンセント——自己決定権の尊重
e.ICF(国際生活機能分類)————肯定的側面を包含
1.  a、b  2.  a、e  3.  b、c  4. c、d  5. d、e
 
a:正しい。緩和ケアとは、「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に関してきちんとした評価を行いそれが障害とならないように予防したり対処したりすることで、QOLを改善するためのアプローチである。」とWHOで定義されている。緩和ケアの目的は患者が死を迎えるまで積極的に生きていけるように支えることであり、患者の尊厳を重視しているといえる。
b:誤り。ノーマライゼーションの目的は、障害のある人ひとりひとりの人権を認め、取り巻いている環境を変えることによって、生活状況を障害の無い人の生活と可能な限り同じにして、「共に生きる社会」を実現しようとするものである。
c:誤り。ユニバーサルデザインとは、改善または特殊化された設計なしで、能力あるいは障害のレベルにかかわらず、最大限可能な限り、すべての人々に利用しやすい環境と製品のデザインである。つまり、障害者に限定されていない。
d:正しい。インフォームドコンセントとは「説明を受けた上での合意」という意味であり、医師が治療の目的や内容を十分に説明し、患者から同意を得ることである。つまり患者の自己決定権を尊重するものである。
e:正しい。ICF(国際生活機能分類)は、ICIDH(国際障害分類)と違って障害というマイナス面だけではなくプラス面を重視することが大きな特徴である。
 
誤っているのはbとcなので答えは3。
 
 
~おまけ~
ユニバーサルデザインバリアフリーって何が違うの?と疑問に思った方がいらっしゃるのではないでしょうか。
バリアフリーはもともとあったバリアを取り除くこと、それに対しユニバーサルデザインは最初から取り除かれている(特別な調整をしない)ことを指します。
つまり、玄関前の段差にスロープをつけよう!というのはバリアフリーの考え方で、ユニバーサルデザインでは設計時点からスロープを計画して作るということです。
どちらも結果的に玄関にスロープがついているのは同じなのでややこしいですよね。
 
また、バリアフリーが障害者や高齢者など特定の人の生活の支障となるバリアを取り除くことを目的としているのに対し、ユニバーサルデザインは障害があるかないかに関係なく、全ての人が使いやすいように設計されているという違いもあるようです。